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IVナース

IVナースとは

安全な静脈注射や輸血するための静脈路確保や、医師の指示のもと確実な抗がん剤の投与を実施する看護師のことです。当院では、レベルⅠ~Ⅲaの段階に応じて実施内容が異なります。
IVナースⅢa認定者には、病院長より認定証と認定バッジ(右写真)が授与されます。

IVナース研修設置の経緯

当院では、がん患者に対する抗がん剤投与時の静脈経路確保を診療科医師が実施していました。
入院だけでなく外来での抗がん剤投与患者が2010年より約3.2倍と増加したことに伴い、2013年看護師の業務拡大として、看護部では院内静脈穿刺基準の見直しを実施しました。「安全・安心な静脈注射を実施するための知識・技術の取得とレベルに応じた看護スタッフの育成」を目的としたIVナース育成プログラムについて、がん化学療法認定看護師の木村看護師が中心となって作成し、院内認定制度を導入しました。
現在静脈穿刺だけでなく、担当する患者・家族のケアの質向上、看護師教育、がん化学療法のエキスパートとして幅広く活躍しています。

研修内容と穿刺基準

IVナースレベル レベルⅠ
(卒後1年目)
レベルⅡ
(卒後2年目以降)
レベルⅢa
(卒後5年目以降Ⅱクリアが条件)
研修内容
  • 静脈注射と看護師の法的責任
  • 輸液療法の目的と適応
  • 針刺し防止対策と労務災害
  • 輸液ポンプとシリンジポンプの取り扱い
  • 輸血療法と血液製剤の種類
  • ハイリスク薬剤について
  • 麻薬・劇薬・毒薬の取り扱い
  • 抗がん剤種類と特徴、レジメンと投与方法
  • がん化学療法を受ける患者家族の看護
  • がん化学療法の副作用と支持療法
  • CVポートの使用目的、構造と穿刺方法
  • 検査別造影剤の種類と副作用
研修方法
  • 講義
  • シミュレーション研修
  • 講義
  • 筆記テスト
※1 下記表詳細
  • 筆記テスト
穿刺基準 静脈路確保:
20G以下透析除く
静脈路確保:
輸血、強アルカリ製剤等毒性の強い薬剤投与
静脈路確保:
抗がん剤、造影剤、細胞毒性の強い薬剤、皮下埋め込み型ポートのヒューバー針挿入
IVナースレベル レベルⅠ
(卒後1年目)
研修内容
  • 静脈注射と看護師の法的責任
  • 輸液療法の目的と適応
  • 針刺し防止対策と労務災害
  • 輸液ポンプとシリンジポンプの取り扱い
研修方法
  • 講義
  • シミュレーション研修
穿刺基準 静脈路確保:
20G以下透析除く
IVナースレベル レベルⅡ
(卒後2年目以降)
研修内容
  • 輸血療法と血液製剤の種類
  • ハイリスク薬剤について
  • 麻薬・劇薬・毒薬の取り扱い
研修方法
  • 講義
  • 筆記テスト
穿刺基準 静脈路確保:
輸血、強アルカリ製剤等毒性の強い薬剤投与
IVナースレベル レベルⅢa
(卒後5年目以降Ⅱクリアが条件)
研修内容
  • 抗がん剤種類と特徴、レジメンと投与方法
  • がん化学療法を受ける患者家族の看護
  • がん化学療法の副作用と支持療法
  • CVポートの使用目的、構造と穿刺方法
  • 検査別造影剤の種類と副作用
研修方法 ※1 下記表詳細
  • 筆記テスト
穿刺基準 静脈路確保:
抗がん剤、造影剤、細胞毒性の強い薬剤、皮下埋め込み型ポートのヒューバー針挿入

※1 ⅠVナースレベルⅢaプログラム概要

研修
内容
  • 腫瘍と治療
  • 輸液療法の実際
  • がん化学療法の基礎知識、
    副作用対策と看護
  • 最新レジメンと支持療法
  • 生物由来製品・生物学的製剤の薬理
  • 検査別造影剤の種類と副作用対策
  • 静脈注射による合併症の予防と対策
  • 抗がん剤の取り扱い、暴露対策
  • 静脈路確保、
    皮下埋め込み型ポートヒューバー針挿入
研修
方法
講義 講義 講義 講義 講義 シミュレーター演習
講師 消化器外科医師 がん化学療法認定看護師 がん化学療法認定看護師 放射線技師 がん化学療法認定看護師 がん化学療法認定看護師
研修
時間
210分 210分 60分 60分 150分 60分

研修参加者の感想 HCU看護師(IVナースレベルI)

シミュレーターを利用して演習を行いましたが、これが実際の患者さんだったらと思うととても緊張しました。しかし、指導して下さる先輩方が安全に学べるように丁寧に見て下さったので、落ち着いてできました。座学、演習、DVDを見る、見て聞いて実際にやってみる研修内容だったので、イメージがしやすいと思いました。
今後穿刺させて頂く患者さん達は、年齢や背景も様々な方がいらっしゃると思います。どんな方にも安全・安楽に行えるように、教えて頂いた技術を用い、また相手の立場を考えた声掛けもしていけるようになりたいと思います。

研修参加者の感想 HCU看護師(IVナースレベルI)

看護師業務というと一番イメージが浮かべやすい採血、留置針穿刺業務の技術を学び、より看護師としての実感を得ました。また、患者さんに苦痛を与えないためにどのように声をかけ、手順を踏むことが適切なのか根拠を考えながら実施をすることが難しかったです。
学んだ技術をベースに患者さんに個別性に合わせ、声掛け、実施方法を臨機応変に対応でき、苦痛を最小限にできるよう考え実施していきたいです。

IVナースレベルⅢaの主な活動

IVナースレベルⅢa院内認定試験(筆記試験)合格率

出題数25問中80点以上を合格としています。
現在21名の看護師が、病院長よりIVナースレベルⅢaの認定を受け、がん化学療法のエキスパートとして静脈穿刺だけでなく、がん患者、家族の指導や、看護師教育など幅広く活躍しています。

2013年度 100%
2014年度 58%
2015年度 63%

IVナースⅢa 認定試験(筆記試験)問題の1例

問題:分子標的アバスチンについて以下の4つの文章から誤ったことを述べているものを1つ選べ。

  • 血管新生薬(アバスチン®)はがん細胞だけでなく、その周囲に存在して、増殖に必要となる栄養や酸素を供給する役目を果たす血管内細胞に作用し、増殖抑制作用により供給機能を低下させることで抗腫瘍効果を示す。
  • アバスチンの副作用には高血圧があり、投与中は血圧をモニターし治療開始前と比べて20㎜Hg以上の血圧上昇が持続し、自覚症状が伴う場合や150/100㎜Hgを超える場合には降圧薬を投与する。
  • アバスチンの副作用には創傷治癒遅延があるため、手術創の治癒遅延や術後出血を招くことがある。そのため、ポート挿入などの手術も避け、6~8週間前は投与を避ける必要がある。
  • アバスチンの副作用には出血があるため、鼻出血、歯肉出血などが発症しやすい。

IVナースからのメッセージ

がん化学療法看護
認定看護師

患者さんに安全・安楽な治療を提供しています。

IVナースのリーダーをしています。
IVナースが病棟に所属していることで、がん化学療法を受ける患者さんに迅速に対応することができ、患者さんに安全・安楽な治療を提供できています。また、IVナースによる所属病棟での勉強会の開催や病棟スタッフへの指導などにより、院内のがん化学療法看護の質の向上につながっています。今後はIVナース同士の連携をはかり、がん化学療法看護マニュアルの整備や、抗がん薬曝露対策も強化していきたいと思っています。
これからIVナースを目指す皆さんには、所属病棟に留まらない活躍を期待しています。

4Aa病棟看護師
(IVナースレベルⅢa)

呼吸器内科病棟でIVナースとして活動しています。

化学療法穿刺を主として、患者さんの安全に考慮した実施と観察を心掛けています。
入院で1ヶ月程度入院する患者さんには、その都度化学療法施行後の副作用が出ないかラウンドをしています。また、病棟看護師へ副作用の出現期間や曝露対策について指導する機会も増えており、IVナース研修で学んだことを軸に新たな知識を共有できるよう勉強会を主催しています。
質の高い看護が提供できるようこれからも日々研鑽していきます。

外来看護師
(IVナースレベルⅢa)

自信を持って患者さんと関わることができるようになりました。

化学療法の患者さんを担当する機会はここ数年で随分増えましたが、その時、漠然とした不安の中で患者さんを看ていた経験のある方も少なくないと思います。以前の私もそうでした。
しかし、IVナースの資格を得てからは、薬剤の特徴や副作用の予防方法・対処方法、点滴管理、穿刺方法(静脈・CVポート)等の知識を得ることができ、それを元に自信を持って患者さんと関わることができるようになったと感じます。
化学療法に副作用はつきものですが、それは、私達ナースのアセスメントや患者さんのライフスタイルに沿った生活指導、セルフケアを高めるような関わりでコントロール可能だと思います。
『化学療法に興味はあるけれど認定看護師の壁は高い。』と思われている方、一緒にIVナースとして活動してみませんか?

4Aa看護師
(IVナースレベルⅡ)

患者さんの安全のために、確認作業を徹底しています。

IVナースレベルⅡ研修では麻薬や血液製剤、輸血の取り扱いについて学びました。私が勤務している呼吸器内科病棟では、麻薬を取り扱うことが多いです。患者さんに安全に投与するために看護師間でのダブルチェックは怠らないように徹底しています。また、麻薬を使用することでほとんどの患者さんへ副作用が出現します。麻薬投与開始から患者さんの副作用の観察は注意しながら行っています。今後も、患者さんに安全に投与するためにも、確認の徹底を行っていきたいと思います。

4Aa看護師
(IVナースレベルⅡ)

レベルⅢへステップアップする為、日々努力しています。

私たちは日々の業務の中で、ハイリスク薬、毒薬、劇薬を取り扱っています。その中でも抗がん剤を使用することが多くあり、投与中、投与後の副作用症状に注意して観察を行っています。また、類似した薬剤が多くあるため、投与前には必ず6Rを意識してダブルチェックを行い、誤投与を予防しています。
今後はIVナースレベルⅢへとステップアップできるよう努力していきたいです。

5A看護師
(IVナースレベルI)

研修で学んだことが日々の業務の力になっています。

私は卒後2年目ですが、入職時は静脈注射などの技術面に不安がありました。卒後1年目研修に参加し、静脈血採血、注射の実施時に必要な知識、技術、態度を学びました。病棟に戻ってからもシミュレーターとスタッフ間で練習を重ね技術を磨き、自信を持って安全に静脈注射を実施できるようになりました。研修で学んだことを活かして日々の業務に励んでいます。
今後は卒後2年目研修で講義を筆記テストに合格し、IVナースレベルII習得を目指しています。